20170331
イザベル・ユペールの映画はなるべく見たいなと思っていて。本当に大人の女性だけれど、どこかあごをつんとあげた勝気な少女の面影がある、とても好きな女優さんです。
50代後半になって、ひとつひとつ人生にあると信じて疑わなかったものを失ってゆく主人公のナタリー。浮気相手の元へ去る夫、認知症と我儘でナタリーをふりまわす母親の死、天職のはずなのにうまくゆかない哲学教師の仕事、周りとずれてゆく自分の価値観。
でも、すべてなくなった時、彼女は孤独と自由を手に入れるのですね。ひとりで、自分の人生をはじめて生きはじめる。その不安と期待の余韻がとてもいいラストシーンでした。
フランス語の原題はL'avenir 「未来」です。